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労働基準法の要点

§1、目的・適用

 

1、 1条1項  労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなけ
       ればならない
  1条2項  この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから労働関係の当事者は、こ
       の基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとよりその向上を図
       るよう努めなければならない

 

2、 労働者   事業に使用される者で、賃金を支払われる者

 

3、 使用者  @事業主:法人あるいは個人事業主
       A事業の経営担当者:法人の代表者や取締役
                  B事業主のために行為をするものすべての者:いわゆる中間管理職等

 

4、 労働条件を決定するもの(権利義務の発生)
  通常は労働契約によって定めるが、就業規則や労働協約によって定めることもできる

 

   労働協約   労働組合と使用者が締結
   就業規則   使用者が作成
   労働契約   労働者と使用者が締結

 

   優先      法令>労働協約>就業規則>労働契約

 

5、 労働基準法に反した契約
  契約はその部分が無効となり労働基準法の基準で修正される

 

6、 適用除外
  全部適用除外     同居の親族のみを使用する事業
             家事使用人
             一般職の国家公務員(特定独立行政法人の職員を除く)

 

  一部適用除外      一般職の地方公務員
                                  船員法に規定する船員

 

§2、労働契約の期間等

 

7、 期間の定めの無い契約     いつでも解約可能
     使用者側からの解約(解雇)は30日の予告が必要であり
     労働者側からの解約(辞職)は2週間後に効力発生

 

  期間の定めのある契約     原則解約不能
     「やむを得ない事由」がある場合、解約可能であるが、解約によって損害が生じた場
     合、損害賠償の義務が生じる

 

8、 契約期間の上限  
    原則3年
    例外 5年      @満60歳以上の労働者
               A専門的知識(公認会計士、医師、弁護士、社会保険労務士等)
        例外  終期まで   @土木建築等一定の事業の完了に必要な期間
                 A職業訓練生との労働契約

 

9、 任意退職規定
  期間中の任意退職   上限3年の対象者は1年経過日以降いつでも退職可能

 

§3、解雇

 

10、 退職の理由(5つ)
  @契約期間の満了 A定年 B死亡 C労働者の申し出 D解雇

 

   解雇とは  使用者が労働契約を将来に向かって一方的に解約すること

 

11、 解雇制限   @業務上休業(療養のため)+30日
         A産前産後休業(6週間、8週間)+30日
          通勤災害、育児介護休業期間は含まれない

 

12、 解雇制限の例外
  @業務上疾病+30日→ 使用者が打切補償を支払う場合
             天災事変で事業の継続が不可能+労基署長の認定
  A産前産後休業+30日→ 天災事変で事業の継続が不可能+労基署長の認定

 

13、 打切補償   療養開始後3年経過後、平均賃金の1200日分を支払うこと

 

14、 解雇予告の原則
  主旨: 抜き打ち解雇の禁止(時間的、金銭的余裕を与える)
  30日前の予告若しくは30日分以上の平均賃金を支払う又は併用
  「予告日数+予告手当=30日分」

 

15、 平均賃金   過去3か月の賃金総額/その3か月の総日数
         1生活日あたりの賃金額となる

 

16、 解雇予告の除外事由(即時解雇可能)
  @天災事変で事業の継続が不可能+労基署長の認定
  A労働者の責めに帰すべき理由での解雇+労基署長の認定
  (例:刑法犯、経歴詐称、2週間以上の無断欠勤)

 

17、 解雇予告制度の適用除外者(臨時的性質の労働者)   (例外ー解雇予告手当必要)
  @日々雇い入れられる者             1カ月を超えて引き続き使用される場合
  A2カ月以内の期間を定めて使用される者     所定の期間を超えて
  B季節的業務に4カ月以内の期間を定めて     引き続き使用される場合
   使用されるもの
  C試みの使用期間中の者             14日を超えて引き続き使用される場合

 

§4、賃金

 

18、  賃金  労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの
        任意・恩恵的なもの「就業規則にない結婚祝金、死亡慶弔金」 賃金ではない
        実費弁済的なもの「制服の貸与、出張旅費など」       賃金ではない
        (例外)通勤手当、使用者の責任による休業手当         賃金

 

19、 賃金支払い5原則     通貨で・直接労働者に・全額・毎月1回以上・一定期日

 

20、 賃金支払い5原則の例外
   通貨払いの例外    ・法令、労働協約に別段の定めがある場合
              ・厚生労働省令で定める次の方法(労働者の同意が必要)
                                          @預貯金口座への振り込み
                                          A退職手当の場合は小切手の交付も可能
        全額払いの例外          ・法令に別段の定めがある場合(社会保険料、所得税等)
                                      ・労使協定が締結されている場合(福利厚生費、組合費等の控除)

 

§5、労働時間・休憩・休日の原則

 

21、 労働時間         休憩時間を除き1週間40時間、1日8時間 が限度

 

22、 労働時間の例外    
  次の4種類の事業の内、常時10人未満を使用する事業(特例対象事業)は1週間44時間ま 
  で可能
  @商業:小売り、卸売り、理美容等
  A映画、演劇の事業(映画製作を除く):映画館、演劇業等
  B保健衛生:病院、診療所、浴場等
  C接客娯楽の事業:旅館、飲食業、ゴルフ場、遊園地等

 

23、 法定労働時間・・・労働基準法で定められている最長限度となる時間
    所定労働時間・・・法定労働時間内で定められている個々の事業場で定められている時間

 

24、 休憩時間 労働時間 6時間以下        付与する義務無
                     6時間超え8時間以下   45分以上
            8時間を超える      1時間以上

 

25、 休憩時間の3原則 @途中付与
                               A一斉付与 (労使協定で交代制も可能)
                               B自由利用

 

26、 休日 @毎週少なくとも1日
              A4週間で4日以上でもよい(変形休日制)

 

§6、みなし労働時間制、変形労働時間制

 

27、 みなし労働時間制
  実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めておいた時間労働したものとみなす制度

 

28、 みなし労働時間制は3種類
  @事業場外のみなし労働時間制
  A専門業務型裁量労働制
  B企画業務型裁量労働制

 

29、 事業場外のみなし労働時間制
  営業等使用者の指揮監督が及ばず、労働時間を算定しがたい場合、所定労働時間労働をしたと
  みなす。

 

30、 専門業務型裁量労働制
  専門性が高く、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が具体的な指示をする
  ことが困難な厚生労働省令で定める19業務。
   研究開発、取材編集、デザイナー、弁護士、税理士 業務等。
  労使協定に
   @対象業務
   Aみなし労働時間
   B対象労働者の健康・福祉確保措置
   C対象労働者の苦情処理措置、
  を定めて、労働基準監督署長への届出が必要。

 

31、 企画業務型裁量労働制
  事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性 
  質上これを適切に遂行するにはその遂行方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるた
  め、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないことと 
  する業務。
  労使委員会を設置し、以下の事項を決議(4/5以上の多数決)し労基署へ届出。
  ・対象業務
  ・対象労働者の範囲
  ・対象労働者の苦情処理措置
      ・対象労働者の健康・福祉確保措置(6カ月に1回労基署へ定期報告)等

 

32、 変形労働時間制
  一定期間を平均して、法定労働時間の範囲内であれば、1日8時間、週40時間を超えて
  労働させることができる制度。

 

33、 変形労働時間制は4種類
  @1カ月単位の変形労働時間制
  A1年単位の変形労働時間制
  B1週間単位の非定型的変形労働時間制
  Cフレックスタイム制

 

34、 1カ月単位の変形労働時間制
  1ヶ月以内の期間・期間内の総労働時間を定めその枠内で働く。
  (期間終了時に週当たり40時間(特例対象事業は44時間)を超える分は法定時間外労働とな
  る。)
  各日、各週の労働時間の制限はない
  労使協定又は就業規則によって実施する(労使協定の場合は労基署への届出が必要)

 

35、 1年単位の変形労働時間制
  1ヶ月を超え、1年以内の期間・期間内の総労働時間を定めその枠内で働く。
 (期間終了時に週当たり40hを超える分は法定時間外労働となる。)
  対象期間における労働日、労働日ごとの労働時間数等を定めた労使協定による。
 (労使協定は労基署へ届出が必要)
  ※労使協定で定める各日の労働時間は10時間を超えてはならず、各週では、52時間を超えて  
  はならない。また対象期間が3ヶ月を超える場合の所定労働日数の限度は原則として1年あた
  り280日。さらに労使協定で定める労働日は連続6日が限度。

 

36、 1週間単位の非定型的変形労働時間制
  常時使用する労働者が30人未満の小売業、旅館、料理店及び飲食店のみ採用可能
  1週40時間以内の範囲で、1日10時間を上限として、その枠内で働く。
  労使協定による。(労使協定は労基署へ届出が必要)
  ※少なくとも当該1週間の開始する前に、労働者に書面により各日の労働時間を通知しなけれ
  ばならない

 

37、 フレックスタイム制
  労働者が各日の始業、就業の時刻を自らの意思で決めて働く制度。
  1カ月以内の一定期間(精算期間)・総労働時間を決めその枠内で働く。
  就業規則でフレックスタイムを導入することを決めて、労使協定で精算期間等を定める
 (両方必要)

 

§7、時間外・休日労働、労使協定

 

38、 時間外・休日労働が「適法」にできる場合(3種類)
    時間外労働:法定労働時間を超える労働、
    休日労働:法定休日における労働

 

  @災害等臨時の必要(非常災害時)
  A公務のため臨時の必要(公務員)
  B36協定を締結、届出した場合
   36協定:法36条に規定する労使協定

 

39、 36協定に定める時間外・休日労働
  3種類の期間で時間外労働時間を定める @1日A1日を超え3か月以内B1年間
  労働基準監督署へ届出必要
  時間外労働の限度基準  
   @1週間 15時間  A1カ月 45時間 B1年間 360時間

 

40 労使協定
  ・効力
  免罰効果を発生させるが権利義務は発生させない。よって例えば、時間外労働を義務付けるに 
  は「労働契約、就業規則又は労働協約が必要」
  ・締結当事者
    労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、無い場合は労働者の過半数代   
  表者と使用者が書面により締結する

 

§8、割増賃金

 

41、 割増賃金
  時間外労働  25%
  休日労働   35%
  深夜労働   25%   午後10時〜午前5時
  時間外労働が深夜に及んだ場合    50% (25%+25%)
  休日労働が8時間を超えてた場合   35%
  休日労働が深夜に及んだ場合     60% (35%+25%)

 

42、 割増賃金の算定基礎から除外する賃金(7種類)
  @家族手当A通勤手当B別居手当C子女教育手当D住宅手当
  E臨時に支払われた賃金F1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金 

 

43、 割増賃金の特例
  @月60時間を超えて時間外労働をさせた場合(休日労働は含まない)
   60時間を超える部分には50%以上の割増率が必要(深夜は75%以上)
  A代替休暇の付与:60時間を超える時間外を行った労働者に対し、引き上げ分の割増賃金の
   支払に代えて、代替休暇を与えることができる(労使協定必要)
   代替休暇の時間数=60時間を超える時間外労働の時間×25%
  B中小企業には特例適用しない

 

§9、年次有給休暇

 

44、 年次有給休暇
  @6カ月間の継続勤務
  A全労働日の8割以上出勤 →10労働日の年休権発生
   労働日:労働義務のある日
   出勤率=出勤した日/全労働日

 

  出勤した日に入れる日   業務上の傷病のための休業日
               産前産後休業の日
                                        育児休業・介護休業の日
                                        年次有給休暇取得日
                                        労働者の責めに帰すべき事由とは言えない不就労日

 

     全労働日より除く             不可抗力による休業日
                                        使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日
                                        正当な争議行為で働かなかった日
                                        所定休日に労働した日
                                        代替休日を取得して終日出勤しなかった日

 

45、 労働者の時季指定権: 有給休暇を取得する日は労働者に選択権がある
        使用者の時季変更権: 事業の正常な運営を妨げる場合使用者は変更する権利がある

 

46、 有給休暇の賃金(次のいずれか)
  @平均賃金
  A所定労働時間労働した場合の通常の賃金
  B健康保険法の標準報酬日額(労使協定の締結が必要)

 

47、 付与日数
   継続勤務年数    付与日数
    6カ月       10日
   1年6カ月      11日
   2年6カ月      12日
   3年6カ月      14日
   4年6カ月      16日
   5年6カ月      18日
   6年6カ月      20日

 

  年次有給休暇の請求権は2年で時効消滅、未消化の有給休暇は、翌年度に限り繰り越し可能

 

48、 比例付与   対象者   週所定労働日数4日以下かつ週30時間未満
         付与日数=原則的付与日数×週所定労働日数/5.2(端数切捨て)

 

49、 付与の単位
  年次有給休暇の付与は原則「労働日」単位、労使協定を締結した場合、
  1年に5労働日を限度に時間単位年休の付与が可能

 

50、 計画的付与   
  労使協定を締結し、5日を超える部分については計画的付与により与えることが可能

 

§10、年少者・妊産婦

 

51、 年少者 「年少者」は満18歳に満たない者、このうち満15歳に達した年度内
  にある者(中学生以下)を「児童」という。

 

52、 児童  原則: 労働者として使用禁止
      例外: 以下の場合に健康・福祉に有害でない軽易な作業で修学時間外に使用すること 
         が可能
        ・非工業的事業・・・満13歳以上
        ・映画の製作・演劇の事業・・・満13歳未満でも可
      法定労働時間: 休憩時間を除き、修学時間を通算して、1週間40時間、1日7時間

 

53、 年少者  原則: 変形労働時間制、フレックスタイム制、36協定にもとづく時間外労働
          労働時間(週44時間)、休憩の特例の規定は適用されない。

 

54、 年少者の深夜業 原則禁止
  例外: @交代制によって使用する満16歳以上の男性
      A交代制によって労働させる場合に労働基準監督署長の許可を受けて、午後10時30 
      分まで労働させる場合
      B農林水産業、保健衛生業及び電話交換の業務
               C非常災害時の時間外・休日労働に伴う深夜業

 

55、 妊産婦
 「妊産婦」とは、妊娠中の女性(妊婦)及び産後1年を経過しない女性(産婦)をいう

 

56、 法65条1項   使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する 
                          予定の女性が休業を請求した場合においてはその者を就業させてはならな
            い。
   法65条2項   使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし 
                              産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師
                              が支障がないと認めた業務に就かせることは差支えない。

 

57、 労働時間の制限  使用者は、妊産婦が請求した場合には、原則として変形労働時間制を採用
   していたとしても、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させたり時間外・休日労働
   及び深夜業をさせることはできません。

 

§9、労働条件の明示

 

58、 使用者は労働契約の締結に際し、労働条件を明示しなければならない。どのような労働者に
  対しても必要な絶対的明示事項と、定めがある場合に明示が必要な相対的明示事項がある
  絶対的明示事項
   @労働契約の期間
   A期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
    (Aは有期契約で更新の可能性のある場合のみ)
   B就業の場所、従事する業務の内容
   C始業・終業時間、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換
    に関する事項
   D賃金額(退職手当を除く)、計算方法・支払方法、締切時期、支払時期、昇給
   E退職に関する事項(解雇の事由含む)

 

§10、就業規則

 

59、 就業規則の絶対的記載事項
  @始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項
  A賃金額、計算方法・支払方法、締切時期、支払時期、昇給
  B退職に関する事項(解雇の事由含む)

 

                                          以上

 

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